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「神の不在」と「空気の支配」
【コラム】 東京支部 浮駄ノ楽狂(家事手伝い) 日に日に世界が悪くなる 気のせいか そうじゃない ~~~ ハンバート ハンバート 「笑ったり転んだり」より ~~~ 「今更、青春映画でもあるまい」と見送っていた映画『桐島、部活やめるってよ』を、たまたまWOWOWにて観賞し、不覚にも涙しました。 この作品が、学校という特殊な閉鎖空間における、あの年頃の過剰なまでの繊細さと、人間関係の軋轢をあまりにも鮮烈に映像化していたからです。 その意味で私自身の高校時代を振り返れば、地に足の着いたリアリティを掴めずにもがいた日々でした。 コントロールできない過剰な自意識の塊。 小心者の癖に、自らを露悪的に装い、自己同一性は曖昧模糊、将来の自分なんて想像もできませんでした。 記憶の大半は、今も顔を覆いたくなるような恥と後悔で塗りつぶされています。 あの頃の痛みが、この映画を通じて思い出されました。 この物語は、勉強・部活・恋愛や友人関係において圧倒的な強者であり、コミュニティの求心力となっていた「桐島」が、ある日突然、周囲との関係性を拒絶、その影響で周囲の
10月28日
戦後80年目に観た『火垂るの墓』の感想
【コラム】 岐阜支部 林 文寿(NPO職員) 今年の8月15日、終戦記念日に民放のテレビでは映画『火垂るの墓』が放映されていた。 途中からになってしまったが観てみた感想を残したいと思う。 この作品については、小学生時代に悲惨すぎる印象しかなく避けていた。菓子売り場でサクマドロップスを目にすると悲しくなっていた。 そのくらいに戦争が引き起こす悲劇を子供心に刻み込んだ作品だった。それに関しては今回も変わらず残った。現在のウクライナやガザの地でも同じような境遇の兄弟がいることを考えると胸が痛くなる。戦争という現実は弱者ほど涙を流す。平和のありがたみを感じ、ひとりの親として我が子にはそんな苦しみを味わわせたくはない。 46歳にして改めてこの作品を観て感じたことを付け加えてみる。幼い妹は栄養失調で死んでいった。しかしそれが、虚しく無念に死んでいったのか。もしかしたら彼女は幸福だったのかもしれないとも想像した。 それは、彼女の兄が死の最後までそばにいてくれたからである。彼女のために最後は狂いながらも懸命に尽くした兄がいたことだ。(もしも兄がもう少
10月27日
児童と昔あそびをする
【コラム】 信州支部 長谷川正之(経営コンサルタント) 私は20年前に、地元小学校のPTA会長をやりました。翌年、歴代のPTA正副会長会を発足させ、以来、小学校児童の安全確保のほか、学校の要請を受けてバックアップしてきました。 今年度、学校からお呼びがかかり、初めて取り組む「昔遊びクラブ」(4年生〜6年生の11人)の外部講師をしてもらえないか、と依頼されたのです。学校の通常時間内で月に何回か好きな活動をする場で、「昔あそび」という「エッ」と驚きそうなクラブに10名ほどがエントリーしてくれました。 60年ほど前、小学生現役時代に他の誰よりもよく遊んだことが伝説的に伝わり評価されたのか、はたまた、大学時代の「児童文化研究会」所属というキャリアがものを言ったのかは定かではありませんが(笑)。 二つ返事でお受けし、昔よくやった「花いちもんめ」「ハンカチ落とし」「だるまさんが転んだ」「かごめ」等、簡単な資料を作って初回に説明しました。予想に反して、半数の児童は知っていてスムーズに遊べました(「かごめ」だけは、ほとんど知らず)。 昨今は、タブレット学習やスマ
10月27日
「仏教界と戦争の関わり」を考えてみる
【コラム】 信州支部 長谷川正之(経営コンサルタント) 今年、令和7年(2025年)は、終戦から80年を迎えます。 私は浄土宗の菩提寺の護持会総代を務めていますが、昨年、「浄土宗『戦時資料』に関する報告書」が令和5年に浄土宗平和協会より作成・発行されていることを知りまし...
9月16日
映画「能登デモクラシー」にみるオールドメディアの意義
【コラム】 東京支部 清水一雄(教師) 先日、雨が降ったり止んだりの蒸し暑い日に、映画「能登デモクラシー」を見てきた。新宿にある「ポレポレ東中野」というドキュメンタリー映画を中心に上映する映画館だ。5月からのロングランで、東京支部のイベント情報にも紹介があったことからぜひ...
9月16日
熊野古道から感じるエネルギー
【コラム】 信州支部 加藤 達郎(教師) GWを使い、熊野古道を歩いてきた。熊野古道は身分や老若男女問わず、平安時代から多くの人が熊野三山への参拝のために利用してきた道である。大勢の人が蟻のように数珠つなぎで歩く様子から「蟻の熊野詣」と呼ばれた記録もある。...
8月10日


報道されないことから見えてくるもの
【コラム】東京支部 田尻 潤子(翻訳業/主婦) 去る7月の参議院選挙では、参政党の躍進が話題となった。私はSNSを一切やっていないため、X(旧Twitter)などでの盛り上がりの様子を直接見たことはないが、NHKや民放のニュース、あるいは主要なニュースサイトなどで参政党が頻...
8月10日
信州支部長日記 -スキー、クライミング、登山ガイド-
【コラム】 信州支部 支部長 前田 一樹 久しぶりのメルマガ投稿になります。3月から仕事のあまりの忙しさに、まったく、メルマガの手を付けることができていませんでした(泣)。 そんな中でも、今年も3月の終わりに、秋田県角館市に行ってきました。そこから、岩手県の「八幡平」とい...
8月10日
沖縄支部立ち上げと今後の取り組みについて
【コラム】 沖縄支部 支部長 岸本 尚之 沖縄支部立ち上げと今後の取り組みについて 先日メルマガ内で表現者塾 沖縄支部の発足を報告させて頂きましたが、改めてこちらでも立ち上げから今後の取り組みについて述べさて頂ける機会を頂けましたので、私が支部長に名乗りをあげた経緯も...
7月13日
2025年4月度 関西支部読書会『トランプは「危機」か「好機」か?』
【コラム】 関西支部 支部長 福谷 啓太 《本投稿について》 本投稿は、掲題の勉強会の内容とその後、個人的に整理を進めた内容となります。 令和7年4月5日、梅田で開催の表現者塾関西支部の勉強会は、計9名(内、2名が新規参加者)の参加となりました。今回の勉強会のテーマは表現...
7月13日
ふるさと納税 ~産地偽装に憤る人々~
【コラム】 信州支部 北澤 孝典 (リンゴ農家) 私が住む長野県須坂市の農業が全国的に注目を集めている。 ふるさと納税の返礼品として送っていた高級ブドウが、山形県産であったことが判明し、流通業者による産地の偽装や、判明後の市の対応の遅れが問題となっているようだ。...
6月20日
思想はどこに宿るのか ――壊すことで見えたもの、残したもの
【コラム】 東京支部 市井のキムラ 実家の建て替えが完了した。 旧家は、父が生まれた昭和 30 年ごろに大工だった祖父が建てたものだった。東日本大震 災の際、津波によって壊滅状態となった地域にあったが、高台に位置するため被害は免れ、倒壊もしなかった。むしろ昔の基礎(束石...
6月20日
お祭りに参加して気が付いたこと
【コラム】 岐阜支部 林 文寿(NPO職員) 前回の投稿「お祭りの練習で気が付いたこと」の続きの内容となります。 令和7年4月13日に岐阜県中津川市蛭川の杵振り花馬まつりが行われました。 当日は生憎雨の天候となってしまいましたが、12時過ぎに出発。途中休憩を挟みつつ、踊子...
6月20日
2025年2月度 関西支部読書会レポート『権力を動かす「権力」の構造』
【コラム】 関西支部 支部長 福谷 啓太 《本投稿について》 表現者塾の地方支部として、普段どのような勉強会を実施しているかをご参考に提示します。関西支部としては、これを機に当支部への参加にご興味を抱いていただいたり、ご参加が難しい読者の皆様方におかれましては、内容に対し...
5月30日
「今はプロレスラーもどきしかいない!」
【コラム】 東京支部 浅見 和幸 「今はプロレスラーもどきしかいない!」 これは、去る3月20日に行われたDDT(プロレス団体)大会にて、或る選手が頸椎骨折・頚髄損傷の事故が発生したことを受けて、元プロレスラーの前田日明が4月11日に自身のYoutubeチャンネルで苦言を...
5月30日
「驚愕の僧」から学ぶ
【コラム】 信州支部 長谷川 正之(経営コンサルタント) 最近、東京への所用の際に国立新美術館で開催されていた書道展にフラッと立ち寄った。 何百という作品の中で目にとまったのは「一期は夢よ ただ狂え」という書。独特の字体で、その後、私の脳裏から離れないのは、特に「狂え」とい...
5月30日
お祭りの練習で気が付いたこと
【コラム】 岐阜支部 林 文寿(NPO職員) 私の住む蛭川地域では毎年4月中頃に杵振り花馬祭りというお祭りがあります。地元の安弘見神社へ奉納する祭りであり地域全体で協力して行われています。今年令和7年は4月13日開催予定で住民が準備を進めています。...
5月2日


保守派が陰謀論者で何が問題なのか?
【コラム】 東京支部 日高 光 いつの時代にも陰謀は存在する。 陰謀がない時代なんてものは想像がつかないくらい、当たり前に在る。 とりわけ、公約違反の消費増税を命がけで実行するものがあれば、国会で自分の秘書の残業代を払っていない事を居直るものもあり、何十人という裏金議員の...
4月13日
スキーは日本人にとって贅沢品になったのか
【コラム】 信州支部 前田 一樹 (教師・信州支部代表) 本日も白馬に「スキー」に行って参りました。 ゲレンデには滑走を楽しみつつ、自分の技術の上達のために行くわけですが、毎年、頭を離れないのは「外国人」の多さです。 年々日本人がスキーを楽しむ人数より、外国人スキー・スノー...
4月13日
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