【コラム】 関西支部 小町
表題の言葉は西部邁先生がおっしゃった言葉から引かせていただきました。
確かに、今ほど、女性が社会に活用されている時代はないと思います。
少子化が嘆かれて久しいこの国で、なぜか、「保育士不足」「保育園不足」という言葉をよく耳にします。実際、子供を保育園に預けられなくて困っているお母さんたちもいるようです。
が、本当に問題にすべきは、保育園不足、なのでしょうか。保育士不足、なのでしょうか。
私は、どちらも見せかけの問題に過ぎないと思います。新聞の見出しに惑わされてはなりません。
問題にすべきは、女性が外に働きに出るに従い、自らの手で子を育てる「母親」が少なくなってしまったこと、つまり母親不足になってしまっていることなのではないでしょうか。
小学校や中学校と違って、保育園や幼稚園には、そこへ通わせなければならないという義務はありません。しかし、多くの女性が、子を産み、早ければ数ヶ月で、1、2年もすれば、「働く女性」として仕事に戻るために、子を保育園や幼稚園にあずけます。あずけるために仕事に出ていく女性もいるほどです。そして、保育園は今までの数では足りず、そこで働く保育士の人数も今まで以上に求められます。
今の社会の流れを見れば、家庭に軸を置いて子育てをしようと思えないことは至極当然のことの様にも思われます。
しかし、これまで会ったこともなければ話したこともない見知らぬ大人に愛しい我が子をあずけ、仕事に出て行くことは、母となった女性にとって、子どもにとって、本当に幸せなことなのでしょうか。活躍という言葉に惑わされ、活用されてはいないでしょうか。将来、私が結婚や出産というご縁に恵まれなかったとしても、子を育て、成長を見守ること、それこそが何にも代え難い幸せであると私は信じたいのです。
私が、大学進学を選ばず、自ら学んでみたいと言った時、
「そんなことでは、一人で生きていけないよ」
「今は、女性も自分で働いてお金を稼ぐ時代だ。あなたはもう大人なんだから自立できる様に、頑張りなさい」
このような心配の声がたくさんありました。
私は、一人で生きていかなければならないのでしょうか。
私は、男性と同じように働き、お金を稼がなければいけないのでしょうか。
そのために、私は、子育てを誰かに委ねることになるのでしょうか。
一体、世の中は何を「自立」と呼ぶのでしょうか。
仕事。仕事をすることは素晴らしいことです。
サラリーマン、経営者、住職、役人、大工、占い師...
けれども、その仕事をする、人間、を産むのは誰でしょうか。保育園や学校のような、社会が用意してくれた専門機関が子を育ててくれるものなのでしょうか。それ以上に、母や父、祖父母を含めた家庭が、地域が、人が、人を育てるのだと思います。
保育園は、本来、本当に困っている人のための福祉施設であったはずです。
子を育てるのは、どんなに素晴らしい施設でも保育園でもなく、母であり、家庭であるという基本を忘れたくはありません。
キリストも、お釈迦様も、それから私も母から生まれてきたのです。
子を産み、育てるということ。
女性に与えられた特別な「仕事」です。この世で最も苦しく、最も幸せな.....ゆえに、最も尊い仕事だと言ってさしつかえないと思います。
「女性よ、活用されることなかれ」
西部邁先生の鋭い指摘のなかに、私は、男性としての誇りと、女性に対する深い愛を感じます。
小町様
コラムありがとうございます。育休中に勉強できるわけはないだろと最近某検討士が国会で叩かれておりましたが。。
保育という時の掛け替えない時間は、子供だけではなく、親にもある事を「ママがいい!」という本で改めて感じました。その読書感想文です。ご参考に↓
https://note.com/notekuishinbo23/n/n9618a54de9e4
私は男であるため、子供を産む事はできません。母になることは絶対にできません。しかし父親としてできることがあるのだと感じています。保育を単に子育てのサービスだと勘違いしてしまうことでその機会を逸してしまうではないかと懸念しています。