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古希と近接戦

  • 5月18日
  • 読了時間: 3分

【コラム】 信州支部 長谷川正之(経営コンサルタント)


私は昨年4月に古希を迎え、この正月、「今後の10年間をどう生きるか」改めて考えてみようと思い立ちました。


そこで、私の昨年4月以降の行動で、「人との出会いが少し変わってきた」ことに気づきました。


どう変わったのか・・・。


今まで以上に「若者との出会いが増えた」ことです。


この十数年、地元小学校PTA歴代会長会会長として児童に本の読み聞かせを行ってきましたし、仲間たちと任意団体の「信州上田・発酵の学校」をつくり、地元高校生希望者に教えてきました。


また、地元大学で外部講師として、年に一度「地産地消論」を10年間講義しています。少し特異な経験をさせてもらっていますが、例年にも増して「関りが深くなってきた」と思うのです。


まず、地元小学校から、新たなクラブ活動で児童に昔の遊びを教えてほしい、と声がかかりました。「昔遊びクラブ」の外部講師の依頼です。躊躇しつつも、知っている遊びでよいと言われたので引き受けました。


短期間で10人ほど、都合4回でしたが、「ダルマさんが転んだ」他をやり、楽しかったとのみんなの感想をもらい、心が温かくなりました。


発酵の学校では、接する機会が増えたこともあってか、参加している男子高校生からハイタッチで迎えられ、ビックリ。「歳の差なんて関係ネエ」と笑顔で接してもらい、私も思わず笑顔。


そして、大学での授業では、質問しに来た学生と話す時間がほとんど無かったので、後日喫茶店で会い、彼の個人的な話も聞き、アドバイスしました。さらに、彼の友達や私の友人も加わって忘年会をやり、人生論を熱く楽しく語り合いました。若者と接すると、刺激をもらえ楽しいと改めて感じます。


もう一つ、若者ではありませんが、この時期に関りが深まった人がいます。 フェイスブックでつながっているTさんは元大学教授で、お会いしたことはありませんが、地域の再興にご尽力されている私より年長の方です。


「エネルギー作物研究会」を組織されていて、どうしても直接お話を聞きたくダメもとで連絡し、幸運にも会うことができました。大変学びの多い、充実した時間で、つながりが深まりました。


70代になると、不要なものを減らし物への執着心をなくす「断捨離」が当たり前となってきます。そんな中、さらに行動を広げ関係を深めていく発想や行動は、真逆のように感じられるかもしれません。


もちろん、私も年賀状を失礼する方が増えましたし、身の回りの物を購入する頻度も減りました。


一方、人口減少や少子化という不可逆的な流れに危機感を強く抱いています。この先、自分でしっかり思考できる間は、若者たち中心に彼らの考えを聞き、私にできることは何かを追い求めていきたい。


自由に趣味に没頭してもいいし、温泉や神社仏閣巡りもいいでしょう。それぞれやりたいことを思いっきりやり、世間ともつながっていくことです。


考えながら、ふっと脳裏に浮かんだ本があります。著書『日本人はいかに生きるべきか』。著者は阿部謹也さんで、一橋大学学長をされた方です。25年前に発行された本ですが、折に触れて読み返しており、こんなことも書かれています。


「私は若い人にはあまり期待していません。若い人が世間と戦うには負担が大きいから、むしろ定年退職した人たちに期待しているのです。そろそろ世間を気にするのはやめて、のびやかに生きたらどうですか。もう世間には十分奉仕したわけですから」。


余計なことはスリム化する一方、やりたいことをやり、のびやかに生きていく! 私は70代、「若者たちに接近戦を挑もう」と思います。


SNSでの断片的なことばの応酬ではなく、その人唯一の声やことばでやりとりし身体内で発酵させ、醸し出すエネルギーを体得していく。そして、世代間をつなげ、持続可能な共同体をつくっていく。


それが、これからの私流の「保守の矜持」と思っています。

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