報道されないことから見えてくるもの
- poisonfrog777
- 8月10日
- 読了時間: 2分
更新日:9月3日
【コラム】東京支部 田尻 潤子(翻訳業/主婦)

去る7月の参議院選挙では、参政党の躍進が話題となった。私はSNSを一切やっていないため、X(旧Twitter)などでの盛り上がりの様子を直接見たことはないが、NHKや民放のニュース、あるいは主要なニュースサイトなどで参政党が頻繁に取り上げられていたのを目にした。
記事の中身をすべて読んだわけではないが、タイトルをざっと見渡すだけでも、文言の端々にどこか参政党に対する偏見が滲んでいるように感じられた。
さらに気になったのは、候補者の中でも特に注目を集めた塩入清香(さや)氏に対する「粗探し」である。スプートニクの取材に応じたことについては「ロシアの選挙介入」、配偶者に離婚歴があることに関しては「略奪婚か」といった具合だ。また、「核武装は安上がり」発言まで掘り返して批判していた。ところが、おそらくマスコミにとっては皮肉なことに、こうした報道のあり方が、かえって支持者たちの結束を強める結果を招いたようにも見える。
しかしながら参政党に問題がないわけではない。これまでに見聞きしたことのある主張の中には、事実検証(ファクトチェック)が必要なものが少なくないと感じる。これは、メディアが喜んで叩きたくなるネタを自分から提供するようなものだと思う。
いっぽう、「排外主義」としばしば批判される「日本人ファースト」については事情が異なる。このスローガンが支持される背景には、外国からの移民や観光客の増加、それに伴って目立つようになった外国人による迷惑行為、さらには治安悪化への懸念といった現実がある。支持者の多くが外国人に対して言いたいのは、「日本に来るなら、日本で暮らすなら、日本のルールやマナーを守ってほしい」という素朴な要求にすぎないのではないだろうか。そして政府に望むのは、それを可能にする法整備だ。それならば、自分も同じ思いである。しかし残念なことに、このような(特に敵意のない)率直な本音がメディアで取り上げられることは少ないように思う。
「報道しない自由」という言葉があるが、今や多くの人がそれに辟易しているのではないだろうか。
2025年8月24日追記:タイトルを変更しました(筆者より)。
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