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この4月から木こりになりました

8月29日
読了時間: 3分

【コラム】 信州支部 加藤 達郎(木こり)


今年3月をもって教師を退職し、4月から林業に携わっています。毎日現場の山に行き、先輩に教えてもらいながら、植林や倒木処理などをしています。


林業の仕事を始めてから肉体的にも、精神的にも元気になりました。枯渇していたエネルギーが満ちてくる感覚です。


教師の仕事をしていた時は疲労感(だるさのようなもの)があり、仕事が終わって自宅に戻ると何もする気が起きないことが多かったです。


しかし今は、仕事が終わって肉体的にかなり疲れていても、本を読んだり、その日現場で学んだことを振り返ったり、樹木について調べたり、そういう意欲が湧いてきます。


平日は朝8~9時から夕方16時半くらいまで山で働きます。勾配がきつい場所が多く、30度を超える斜度の場所で作業を行うこともあります。


かなりの重労働であるため、自然とお腹が空きます。朝ご飯をしっかり食べるのですが、午前中11時くらいになると空腹を感じます。


12時頃、持参した弁当を食べます。これが本当に美味いです!麦ご米と沢庵、梅干し、みそ汁が基本メニューです。食後は木陰で15分ほど昼寝をします。とても幸せな時間です。


午後も午前中と同様、作業を進めます。植林作業では、広大な土地に1本ずつ苗を植えていきます。


作業開始当初は全く終わる気がしないのですが、みんなで1日作業を進めると、かなりの範囲に苗を植えられます。それを見ると、「今日も頑張った」と達成感が湧いてきます。


自宅に戻ってからも幸せです。風呂で一日の汚れを落とし、疲労した肉体を湯に沈めたときの感覚は極楽です。


夕食はたっぷりの麦ごはんを味付けの濃いおかずと一緒にいただきます。何を食べても心の底から美味いと感じます。


食後、本を読んだり、1日を振り返ったりしていると眠気が襲ってきます。深く眠り、翌朝すっきりと目が覚めて、新しい1日が始まります。


この2か月、あっという間に過ぎてしまいました。人生で初めてのことです。これまで時間は遅く過ぎていく感覚でした。


やっと4月終わった…ようやく1年終わった…これまでの人生はそんな感じでした。でもこの4月からは時間があっという間に過ぎ、とても充実しています。


僕にとって、幸せというのは上記のような生活を続けることだと感じ始めています。

9年前に長野県に移住し、信州支部をはじめ様々な人と出会って影響を受け、信州の山や自然に興味をもち、林業を携わることになった…


10年前には全く想像できなかったことです。おのずから導かれるように、何かの縁で今の状況があり、その状況の中でとても充実した日々を送っています。


5月のクライテリオンのテーマは「自由(リベラル)」でした。この中で、浜崎先生が西洋的な自由と日本的の自由を対比させながら論じています。文章の後半では九鬼周造氏を引用し、次のように解釈されていました。


"ここで重要なのは、……西洋的な「自由」とは違って、日本人の「自由」が、おのずから脈絡づけられた自然(必然性)に「みずから」従うときにこそ現れるものだとされている点である(p65下段)"


僕の今の状況も「おのずから脈絡づけられていた自然(必然性)」と感じます。これからもその中で日々を精一杯生き、所属する共同体や次の世代のため、わずかながらでも役立てるよう精進していきたいと思います。

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