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「公共交通と地域のありかた論 - 佐々木教授講演会」について

【コラム】 信州支部 北澤 孝典(リンゴ農家)


11月30日土曜日、須坂市で、佐々木邦明早稲田大学教授の講演会が開催されました。


佐々木先生は、表現者クライテリオン3月号『日本を救うインフラ論』にも寄稿されており、信州支部顧問として、何度か勉強会の講師をお願いしているので、ご存じの方も多いと思います。


京都大学工学部で土木工学を学ばれ、山梨大学で永く教鞭をとられた後、伝統ある早稲田大学都市計画研究室の教授を務められています。


学生時代から藤井編集長と親交があり、過去の動画で、編集長が『稀に見る秀才』と評されていた方です。


私が佐々木先生と出会ったのは、2021年4月の表現者クライテリオン松本シンポジウムでのことでした。


目の前で繰り広げられる大型商業施設の出店計画について、理不尽かつ理解不能な出来事ばかりに絶望を感じ、何とか糸口を見つけるべく臨んだシンポジウムで、発言する機会を得て、思いの丈を壇上の先生方に述べました。


浜崎洋介編集委員の返答に幽かな希望を見出し、シンポジウム終了後に席を立とうとした時、後ろの席の方に声をかけられ、名刺を交換しました。


『私もあなたと同じ須坂市の出身です。』山梨大学名誉教授、早稲田大学教授、佐々木邦明と書かれていました。


その後の懇親会でも話が弾み、同窓の藤井編集長も輪に加わっていただきました。一介の市民、クライテリオン読者でもなかった私にとって貴重な経験でした。


その後、前田代表を中心として表現者塾信州支部が立ち上がり、定例の勉強会の講師として、佐々木先生には何度かご登壇いただきましたが、この度、初めて地元須坂市でお話いただくことになったわけです。


テーマは先生の専門であられる都市計画。表題を『公共交通と街のありかた論』とし、地域の公共交通政策に実際に学識経験者として携わられている柳澤長野高等専門学校名誉教授にもご登壇いただく運びとなりました。


講師と日程が決まり、会場を探したところ、ただでさえ少ない須坂市の貸しホールは、どこも予約が取れませんでした。そんな中、旧市街地一丁目一番地に位置する呉服屋『綿幸』に、飛び込みました。かつて製糸業で栄えた須坂市の街並みを今に遺す、今年『重要伝統的建造物群保存地区』に選定されたばかりの文化財です。


中野社長に講演会の趣旨を伝えたところ、二つ返事で奥の座敷をお借りできることとなりました。


クライテリオンメルマガなどの案内広報も行い、徐々に申込者は増えていきました。当日は、地方公務員、弁護士、企業経営者、教育機関関係者、学生、会社員等、様々な立場の方が参加しました。


須坂市出身で、現在は国土地理院院長を務められている山本氏(元埼玉県副知事)も、遠方から駆けつけ、佐々木先生とは初対面ながらも、二次会までご参加いただきました。とても有意義で盛会となりました。


明治初期の建物に、年齢も立場も違う人達が集い、社会事象について議論する姿に、今年五十歳になった自分の天命を感じた一日でした。


ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

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