【コラム】 東京支部 織部好み
太陽にも嫌われちゃった 太陽にも嫌われちゃった
ああ 明日も駄目でしょう
~~~ 倉橋ヨエコ 「不安のお山」より ~~~
令和の米騒動(米不足)、スーパーからコメ消え、それが解消した現時点(2024.10.15)でも価格は高止まり中です。 疑心暗鬼は良くありませんが、政策ミス又は作為を感じています。 消費者(国民)も声を上げるべきだと思うのですが・・・ こんな説明で皆さん本当に納得しているのでしょうか。
【参考:コメ不足】
【参考:政府備蓄米、放出せず】
今回の騒動は「南海トラフ地震の懸念」(および大手メディアの煽り)による顧客側の備蓄米確保も市場での米不足に拍車をかけました。 新米が出回り、不足が解消した途端、以前購入した米の返却や新しい米との交換を要求するお客様も結構いらっしゃったとの事。 (米は生鮮食料です!)
不安に駆られる個人の行動が社会状況の悪化を加速させる事は責められる事でも無いのかもしれませんが、もう少し学べないものでしょうか。 政府や農協に足元を見られて、良い様に転がされている気がして、とても悔しく思っています。
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日本人は古来より、仏教の無常観から現実世界を「浮世」(仮の世界)として捉えたり、「言霊」の様に言葉を霊的(呪術的)に捉えて(物理的な因果の範囲を超えた)影響を与えると考えるなど、心理不安を感性のベースとして和歌などの文学を構築している様です。
時代が近代に移ると、国家として「ペリーショック」以降の強要された国際関係により、内的自己と外的自己の乖離、分裂気質も醸成されました。
また、最近知った事ですが、日本人には幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを抑制する「不安遺伝子」を他国民より高い割合で持っているとの事。 何故そうなったのかは「古来より自然災害や地域紛争が多かったことと関連付ける説が有力」だそうです。
【参考:セロトニントランスポーターについて】
「不安」は心を曇らせ、思考力の低下や不適切なバイアスが生じる傾向を強めます。 事に当たるに際して「時処位」を念頭に置く重要性は言わずもがなですが、心身のコンディションが悪い時に ”多角的な認知を得た上での総合判断” を高い水準で実行する事は難しそうです。
それでも日本は昔から天皇と陰陽師やその時々の宗教勢力、各種共同体が様々な方法(慣習、儀礼)で精神的慰撫を民に与えてきました。 (不安感の煽りと開放のマッチポンプで民を御してきた側面もありますが)
そして現在、その方法の喪失や政治への信頼感の欠如、共同体の分断や個人の孤立化が進む中、どの様に「不安」を制御して日常生活に潜む「危機」に対峙していけば良いのでしょうか。
ちょっと脱線かもですが、不安に乗じるという事では、ショックドクトリンと言う政治手法にも警戒が必要ですね。
【参考:100分で名著「ショックドクトリン」】
宗教学では、安心に関して「安心立命(あんじんりゅうみょう)」と言う言葉があり、意味は「人力を尽くして天命に身を任せ、どんな場合でも落ち着いていること」だそうです。 武道では「明鏡止水」なんて言葉もありました。 不惑を過ぎて惑い、天命の「て」の字も未だおぼつきませんが、何かと不穏な世の中でなるべく穏やかな心持ちで生活する事を心がけたいと思う次第です。
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